「パパイヤ対策は“パパがママと仲良く育児をする”ことで、子どもの信頼度を上げる」と、濵脇先生
「イクメンの先進国と言われるスウェーデンやフィンランドでは、『父親の育児うつの発症率は、母親と同等である』というデータがあります。
パパが育児でイライラしたり、思い詰めたりすることは、ママ同様に誰にでも有り得ることなのです。そのうえ、大好きな子どもから『ママ以外は嫌』と、拒否されると凹みますよね。
日本も父親の育児参加が進んでいますが、まだまだお手伝いレベルが多いのが現実。子どもと接する時間が少ないパパが、ママに太刀打ちできるわけがなく、子どもがママに執着する、いわゆる『パパイヤ』は発達の過程上、致し方ないと言えます。
そんな子どもの様子を見て『私でないと』と、パパから育児を遠ざけてしまうママさんを時々見かけますが、あまりおすすめできません。
かと言って、ギャン泣きしている子どもをパパに押し付けることも違います。
パパイヤ対策としては、子どものお世話はパパひとりではなく“ママと一緒に”を心がけましょう。パパがママのフォローに徹することで『大好きなママと仲良し』とわかり、子どもの信用度が高まり、パパイヤの終わりとともに育児もスムーズになるでしょう。
さらにママも、パパに対して『やり方が違う!』と感じても寛容に接して欲しいと思います。
コメントで『パパにアドバイスをすると不機嫌になる』とあったように、真面目なママほど子どもファーストで細かく指示を出しがち。
できれば、『それでも良いけれど、よりベターな方法があるよ』として、パパのやり方を認めつつ、提案型のアドバイスを心がけてほしいと思います。
私が新生児訪問をしていた頃、『ママみたいに上手にできないから』と、ママに育児を丸投げするパパもいれば、『なぜ私と同レベルでできないの?』と、鬼の形相でパパを睨みつけるママがいました。
私の個人的な意見ですが、パパの育児力がママと同レベルに達する必要はあるのでしょうか。
今の日本は時間的な問題もあり、パパがママと同レベルで育児ができるようになるのは、なかなか難しい。だったら、パパができることを率先してやってもらった方が、お互いにストレスが減るのではないでしょうか。
“育児の分担はこうあるべき”という世の言葉に惑わされることなく、夫婦ならではの育児分担のスタイルを模索して欲しいと思います」
濵脇文子(はまわき ふみこ)
PROFILE)
助産師・保健師・看護師。大阪大学招聘准教授。星薬科大学非常勤講師。総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務。母と赤ちゃんの笑顔が大好きで、数千人の母子のケアに携わります。産前産後ケアセンターの立ち上げに参加したり、民間企業での事業開発など多方面で活躍。自治体の講演や各種メディア執筆では、ひとりひとりのペースにあわせた母に寄り添う姿勢と、明るく軽快な語り口で人気を博します。
(取材・文/和兎 尊美、たまひよONLINE編集部)
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2024年9月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数138人)
※記事の内容は2024年11月の情報で、現在と異なる場合があります。