【3.11東日本大震災から14年】今こそ見直したい育児中ファミリーの防災「大地震が起きたら、どこにどう避難する?」

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2011年3月11日に発生した東日本大震災からは、14年がたちました。2024年1月に起きた能登半島地震からは1年が経過しましたが、被災地はいまだ復興の途中です。日本は世界でもっとも地震が多い国の一つ。もし今、大きな地震が起きたら、育児中のファミリーはどこに避難したらいいのでしょう?そして避難時は、抱っこひもとベビーカーどちらがいいのでしょうか?
実際の災害現場に行って調査をしたデータを基にした安全教育を行っている防災の専門家、清永奈穂先生に子連れ避難の注意点について聞きました。【揺れたときの初めの動作】ワンオペ育児中に地震!?赤ちゃんの「頭と首の後ろ」を守ることが何より大切
――赤ちゃんとママ、またはパパの2人だけのいわゆる「ワンオペ育児中」に地震が起きたらどうすればいいのでしょうか?
清永先生(以下敬称略) 地震が発生したら、赤ちゃんと自分の身を守ることが何より大切です。赤ちゃんを抱っこし、頭と首の後ろを守るようにして、テーブルや机などの下、または、「物が落ちてこない・飛んでこない・倒れてこない・動かない」安全なスペースに体を隠します。
ママかパパがけがをするとその後の避難に大きな影響が出て、赤ちゃんの身が危険になる可能性があります。とくにワンオペ育児中に被災した場合は、赤ちゃんの身を守りつつ、自分の身もおろそかにしないでください。
――頭と首の後ろはどのように守るといいのでしょうか?
清永 近くに座布団やクッションがあれば、それで赤ちゃんの後頭部から首の後ろを覆って守ってあげましょう。首の後ろを守るのは、頸椎(けいつい)がダメージを受けると命にかかわる可能性があるためです。
子どもが2歳ごろから身を守るポーズを練習しておくのもおすすめです。両手で頭を守る「だんごむしのポーズ」も有名ですが、頭は頭蓋骨にある程度守られているのに対して頸椎は無防備のため、私は両手を首の後ろに回して指をしっかり組み、体を小さく丸める「かめのポーズ」をおすすめしています。
2011年の東日本大震災は強い揺れが約3分続きました。地震の揺れがおさまるまで「5分は頑張る」という気持ちでいるといいでしょう。大切なのは、揺れがおさまってもすぐにはむやみに動かないこと。倒れた家具や割れたガラスの破片が家の中に散乱している可能性があります。周囲をよく観察してから、慎重に行動を開始します。ただし、今年1月の能登半島地震のようにすぐに続けて大きな余震が起きることもあります。そのときはためらわずに安全なところに動きましょう。
赤ちゃんが歩ける年齢なら靴を履かせ、まだ歩けない年齢なら抱っこを続けます。大人も靴を履きましょう。赤ちゃんを手で抱っこすると、両手がふさがってしまい、ワンオペ育児中だと避難の準備に支障が出ることも。できれば両手が空くよう抱っこひもで抱っこできるといいですね。テレビやラジオで情報を収集し、屋外の状態も見ながら、必要に応じて避難の準備を始めます。近所に頼れるママ友(パパ友)や親せきが住んでいる場合は、一緒に行動するのもいいでしょう。続きを読む