この時期気になる唇の荒れ。原因は栄養不足?唇荒れ対策で摂りたい栄養素を管理栄養士が解説

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唇の荒れで困っていませんか? とくに空気が乾燥しやすい冬は、保湿ケアをしてもなかなか治らないという人も多いようです。唇の荒れ対策には、からだの内側から栄養を補うことが欠かせません。この記事では、唇が荒れる原因や積極的に摂り入れたい栄養素などを解説します。
唇が荒れる原因
唇が荒れるおもな原因は、乾燥と栄養不足です。それぞれについて解説します。
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乾燥
唇が荒れる原因のひとつは、乾燥です。唇の皮膚はからだの他の部分に比べて角層が薄く皮脂腺や汗腺もないため、外部からの刺激や乾燥に弱いのです。
とくに、空気中の湿度が低い冬やエアコンの風が直接当たる場所では、唇の水分が蒸発しやすくなるため乾燥が進みやすくなります。また、からだが水分不足の状態だと、唇の水分も不足しがちになるので注意が必要です。
唇が乾燥するとカサカサして皮がむけたり、ひび割れたりすることがあります。唇をうるおそうとして無意識に舌でなめてしまう人がいますが、かえって荒れが悪化して「なめまわし皮膚炎」と呼ばれる炎症が起こるおそれがあるのでやめましょう。(※1)栄養不足
栄養不足も、唇が荒れる原因です。ビタミンやミネラルなどには唇などの皮膚の細胞を健やかに保ったり、粘膜を保護したりする働きがあります。しかし、食生活の乱れやダイエットによる食事制限などで栄養が不足すると、皮膚や粘膜が弱くなって唇も荒れやすくなってしまうのです。
「唇の保湿ケアをしてもなかなか荒れが治らない」という人は、栄養バランスが乱れていないか自分の食生活をふり返ってみましょう。続きを読む -
唇荒れ対策に摂りたい栄養素
唇の荒れが気になる人に、積極的に摂ってほしい栄養素や食材について解説します。
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ビタミンA
ビタミンAは皮膚や粘膜を健康に保つうえで欠かせない栄養素であり、不足すると唇の乾燥やひび割れなどのトラブルが起こりやすくなります。ビタミンAは肉や野菜、魚などに豊富に含まれています。うなぎやほうれん草、カボチャ、卵などはビタミンAが豊富なので、意識的に食べるといいでしょう。
ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、油と一緒に摂ると吸収率がアップします。ほうれん草を油で炒めたり、かぼちゃを素揚げにしたりするなど、油を使った調理法がおすすめです。
なお、ビタミンAは摂取しすぎると頭痛や食欲不振などの過剰症の症状が出ることが知られています。一般的な食事で過剰症になることはほとんどありませんが、サプリメントやビタミンA豊富なレバーなどを大量に摂取すると、過剰症のリスクが高まるため注意が必要です。(※2)ビタミンB群
ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類の栄養素をビタミンB群と呼び、ビタミンB群はさまざまな代謝を助ける働きをしています。
皮膚や粘膜の健康維持にも深く関わっており、ビタミンB群が不足すると唇が荒れやすくなったり、口角炎を引き起こしやすくなったりします。(※3)
肉や魚介類、豆、野菜、卵など、多種多様な食材にビタミンB群は含まれているので、偏食を避けてバランスのいい食生活を送ると無理せず補うことが可能です。どれか1種類のビタミンを摂ろうとするよりも、さまざまな食材から複数の栄養素を摂るようにして食べたほうが効果的です。
ビタミンB群は水溶性ビタミンであり、体内に蓄えられにくいという特性があります。そのため、毎日バランスのとれた食事を心がけることが大切です。続きを読む -
食事以外の対策方法
保湿効果やUVカット効果のあるリップクリームを使用し、乾燥や紫外線などの刺激から唇を守るようにしましょう。外出前や寝る前などに、こまめにリップクリームを塗る習慣をつけるのがおすすめです。また、唇を舐めたりこすったりせず、優しくケアするようにしましょう。
さらに、体内の水分が不足すると唇も乾燥してしまうため、日頃からこまめな水分補給を心がけて水分不足を避けることも必要です。続きを読む -
唇の荒れを防ぐためにできること
唇が荒れるおもな原因は、乾燥や栄養不足です。乾燥を防ぐために、こまめな保湿と水分補給を意識しましょう。また、ビタミンAやビタミンB群など、唇の健康にかかわる栄養素をバランスよく摂ることも大切です。食事でからだの内側からケアしつつ、リップクリームの使用や唇を刺激しないことなど外側からのケアも併せて行い、唇の荒れを防いでいきましょう。
<参考文献>
※1 一般財団法人茨城県メディカルセンター「健康まめ知識 冬の子どもの肌トラブルに要注意!なめまわし皮膚炎とは?(2023年1月)」
※2 公益財団法人長寿科学振興財団健康長寿ネット「ビタミンAの働きと1日の摂取量」
※3 公益財団法人長寿科学振興財団健康長寿ネット「ビタミンB2の働きと1日の摂取量」PROFILE
あんしん漢方 管理栄養士
小原水月(おはらみづき)
管理栄養士・健康食育シニアマスター。社員食堂で300以上の料理を修得、ダイエット合宿所・特定保健検診の業務に携わり600人以上の食事と生活習慣改善を個別サポート。自身の出産後の体調不良から食事と漢方で体調改善/増進の経験を生かし、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。「心も体も食べたものだけで作られる」をモットーに簡単で時間もお金もかけずに元気になれるレシピを発信中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。●あんしん漢方(オンラインAI漢方):
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