「サプリメントと薬は一緒に飲んでも大丈夫?」間違えると健康に悪影響も!注意すべき飲み合わせを薬剤師が解説

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「健康や美容のためにサプリメントを飲んでいるけど、薬と一緒に飲んでも大丈夫?」そんな疑問を持ったことはありませんか? 実は、サプリメントの成分によっては、薬の効果を弱めたり強めたりすることがあるんです。そこで今回は、とくに注意が必要なサプリメント成分と、安心して飲むためのポイントを薬剤師がわかりやすく解説します。
薬との飲み合わせで注意すべきサプリメントの成分
サプリメントを飲んでいる人がとくに注意したいのは、薬との飲み合わせ。ここでは、注意が必要なサプリメントの成分を3つご紹介します。
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ビタミンK
ビタミンKは血液を固める酵素の合成に関与しています。たとえば、怪我をしても時間がたつと自然に出血がとまるのは、血液を固める酵素が働くから。ビタミンKは、この酵素の生成に欠かせません。
しかし、ワルファリンなどの血液凝固防止薬を服用している場合、一緒に摂ると薬の効果が弱まってしまう可能性があります。(※1)
ビタミンKは、クロレラ含有のサプリメントや青汁、納豆に多く含まれているので、これらを摂取するときは要注意です。(※2)イチョウ葉エキス
イチョウ葉エキスの働きはビタミンKとは真逆です。血小板の働きを弱め、血を固まりにくくする作用があります。(※1)
そのため、ワルファリンなどの血液凝固防止薬と一緒に摂ると、出血しやすくなるリスクがあります。
さらに、インスリンの働きに影響する可能性があるため、糖尿病治療薬との併用も注意が必要です。続きを読む -
セイヨウオトギリソウ
セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート含有食品)は、ストレスケアやリラックス効果があるハーブです。しかし、飲み合わせに気を遣わなければならない薬が多いので、使用には注意が必要です。
まず、抗てんかん薬・気管支拡張薬・強心薬・抗不整脈薬・血液凝固剤などの薬の効果を弱めることがあります。(※2)
さらに、うつ傾向のある人などに処方される選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と一緒に飲むと、「セロトニン症候群(落ち着かない感じ、下痢、ふるえ、発熱、発汗、意識障害などの症状)」という重大な副作用が起こることも知られています。(※1)続きを読む -
サプリメント同士で注意すべき飲み合わせ
サプリメントを飲むときに気をつけなければならないのは、薬との飲み合わせだけではありません。
サプリメント同士でも相性の悪い飲み合わせがあるので、健康のために複数のサプリメントを飲んでいる人は注意が必要です。鉄分+タンニン
鉄分は健康や美容にも欠かせないミネラルです。しかし、ポリフェノールの一種であるタンニンと一緒に摂ると、鉄分が体内へうまく吸収されなくなることがあります。
タンニンと鉄分のサプリメントを同時に摂取するのは避けるほか、タンニンは緑茶などに含まれているため、お茶で鉄分のサプリメントを服用しないようにしましょう。(※3)続きを読む -
亜鉛+鉄分・カルシウム・食物繊維
亜鉛はホルモンの合成や免疫などに関与し、からだの成長と維持に大切な栄養素です。(※4)亜鉛は、不足しがちな栄養素として知られているので、サプリメントから摂取したいと思っている人もいるのではないでしょうか?
亜鉛を摂りたい人がまず気をつけなければならないのが鉄分です。亜鉛と一緒に摂取すると、亜鉛の吸収を妨げることがあります。また、カルシウムも過剰に摂取すると亜鉛の吸収を阻害するため注意しましょう。
ほかにも、注意したいサプリメントとしては食物繊維が挙げられます。本来、食物繊維は排便を促し腸内環境を整えてくれる大切な役割を担っていますが、その一方で、亜鉛の排泄も促してしまい、摂りすぎると体内の亜鉛が不足してしまう可能性があります。(※5)続きを読む -
薬とサプリメントの安全な飲み方
からだのためを思って摂取したはずのサプリメントで体調を崩してしまっては本末転倒です。薬とサプリメントを併用するときは、まず医師や薬剤師に相談しましょう。自己判断での摂取は、思わぬリスクを招くことがあります。
また、用法・用量を守ることも重要です。適量を超えて摂取すると、逆効果になったり、副作用が出たりすることがあるので注意しましょう。サプリメントは正しく活用しよう!
サプリメントは健康をサポートしてくれる心強い味方ですが、薬との飲み合わせや、サプリメント同士の飲み合わせには注意が必要です。成分によっては薬の効果を弱めたり強めたりすることがあり、健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。併用する際は、必ず医師や薬剤師に相談し、適切な方法で摂取しましょう。
<参考文献>
※1 一般社団法人 愛知県薬剤師会 医薬品との併用に注意のいる健康食品
※2 医療法人社団玲瓏会 金町中央病院 薬とサプリメントを一緒に飲んでも安全?
※3 国立病院機構熊本医療センタ一「くす通信第124号」
※4 厚生労働省eJIM「亜鉛」
※5 日本栄養 ・食糧学会誌 Vol. 45 No. 3 221~226 1992「9週間の食事記録による推定亜鉛摂取量と血漿亜鉛濃度の関係」PROFILE
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あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。●あんしん漢方(オンラインAI漢方):
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